日本ファイナンス学会・アジアファイナンス学会2008合同国際大会

日本ファイナンス学会国際大会報告(速報)
AsianFA-NFA 2008 International Conference

日本ファイナンス学会(NFA)は、7月6日(日)~9日(水)、パシフィコ横浜会議センターにおいて、アジアファイナンス学会(AsianFA)と合同の国際大会を開催しました。大会は、欧米諸国を含む22カ国からファイナンス研究者177名の参加を得て、総勢535名に上る熱気に満ちた一大国際研究交流の場を実現することができました。

世界のファイナンス研究は、近年急速な発展と多様性を見せており、応募論文も635本(海外560、日本75)に達する盛況ぶりでした。厳正審査の結果、197論文がアクセプトされ、レベルの高い研究が報告されることになりました。
大会は、これらのアカデミックな研究論文発表(Parallel Session)に加えて、特別企画(Special Session)として世界的に著名な研究者を招待して、最新研究成果について講演してもらうこととしました。Keynote speakers、Invited speakersなどの招待講演は、次のとおりで、多数の聴講者を会場に集め、最新の研究成果を得ることができました。

Eduardo Schwartz, UCLA: Commodity Derivatives and Real Options.
Kenneth Singleton, Stanford University: Why do risk premiums in sovereign credit markets covary?
Jiang Wang, MIT: The theory of market liquidity
Kurt Winkelmann, Goldman Sachs Group Inc.: Designing and managing an investment policy with alternative asset classes.
Guofu Zhou, Washington University: Parameter estimation risk and portfolio choice.
Sheridan Titman, University of Texas: What we know and don’t know about capital structure.
Michael Lemmon, University of Utah: Employee stock options, past, present and future.
Jerome Detemple, Boston University: Applications of Maliavin calculus to investment and pension plan management.
Roger Ibbotson, Yale University: History and Equity risk premium
また、東京大学金融教育センター(CARF)と米国FMA(Financial Management Association)共催によるフォーラムCorporate governance around the Worldにおいては、Keynote speakerとしてRalph Walkling(Drexel University)教授を招待し、参議院議員の田村耕太郎氏、シンクタンク代表の田村達也氏(元日銀理事)に加わってもらい、最先端の議論を深めていただきました。

一方、規模の大きい国際大会は、運営費用においても特別なので、各方面に財政支援を仰がなければなりません。今回、金融サービス業界に要請したところ、日本ファイナンス学会会員各位のご寄付に加え、多くの企業のご協力を得ることができました。会計報告は、別途改めてさせていただきますが、赤字にならずに済む見透しになることができました。深く感謝するしだいです。
こうした協力を受けて、学会としてファイナンス研究を広めるため役立てたいと考え、「大学生のための特別シンポジウム“日本の金融の未来”」を開催しました。パネラーに次の著名人各氏を招き、示唆に富む興味深い討論をしていただきました。
伊藤達也氏(元金融担当大臣、衆議院議員)
能見公一氏(あおぞら銀行元会長、一橋大学教授)
武者陵司氏(ドイツ証券副会長)
山田晴信氏(HSBC在日副代表)
高野 真氏(ピムコ・ジャパン社長)
山崎養世氏(元ゴールドマン・サックス投信社長)
幸い、多くのご協力、推薦者を得て、275名ものファイナンス学徒に参加していただくことができました。

 このように、各界のご協力により国際的で、多様な、大規模な大会を開催することができました。JNTOをはじめ、関係機関、関係各位にこころより御礼申し上げる次第です。

平成20年8月吉日

日本ファイナンス学会・アジアファイナンス学会2008合同国際大会組織委員会
組織委員長 大橋和彦

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