第2回日本ファイナンス学会研究奨励賞
長年にわたり、 特別賛助会員として日本ファイナンス学会の活動を支援されてきた丸淳子氏からの申し出をうけて、2013年度に「丸淳子研究奨励賞」が設置され、2022年度の第10回まで授与してきました。
同賞は「日本ファイナンス学会研究奨励賞」として衣更えされ、2024年度は第2回となります。
受賞対象は概ね45歳以下の日本ファイナンス学会正会員であり、選考時点から過去3年程度においてInternational Review of Finance、「現代ファイナンス」、および海外において発行された学術誌等に優れた論文・著作を公刊された方に贈られます。
第2回となる本年度については、審査委員会による厳正な審査の結果、次の論文を発表された木村遥介氏(東京工業大学工学院経営工学系助教)を受賞者として決定いたしました。
第2回日本ファイナンス学会研究奨励賞受賞対象論文
Charoenwong, B., Y. Kimura, A. Kwan, and E. Tan [2024], “Capital Budgeting, Uncertainty, and Misallocation,” Journal of Financial Economics 153, 103779.
- 〈推薦理由〉
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本論文では、資本支出の予算策定に関する理論を新たに構築し、予算策定から支出を実行するまでの時間差、その間に得られる追加的な情報に応じた予算変更によって生じる柔軟性、および計画変更に伴う費用の関係について分析し、良い情報の獲得と企業の生産性の関係性が論じられている。精緻な理論的考察によって優れた結果が得られたことに加え、日本の財務省によって収集されたデータを効果的に活用して実証研究が行われている。理論と実証の両面において優れた分析を行うことで、本論文の完成度が一段と高められていることは特筆すべきであろう。
以上の理由により、本論文の著者である木村氏を、本年度の日本ファイナンス学会研究奨励賞の受賞者として推薦する。
(日本ファイナンス学会2024年度研究奨励賞審査委員会)
- 委員長
- 本多俊毅
- 委員
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- 秋吉史夫
- 太田 亘
- 大野早苗
- 小倉義明
- 鈴木一功
- 高見澤秀幸
- 西出勝正