第31回研究観望会開催のご案内

開催日:2024年04月10日

第31回研究観望会を下記の要領にて開催いたします。今回は「投資に基づく負債と流動性マネジメントの融合」をテーマに講演いたします。会員・非会員問わずご参加可能ですので、下記の申込フォームより4月9日(火)までにお申込みください。皆様のご参加をお待ちしております。
※今回は対面開催のみで配信はございません。
※お申込受付は先着順とし、定員になり次第締め切らせていただきます。
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テーマ : 「投資に基づく負債と流動性マネジメントの融合」
報告者 : 田 園 氏(龍谷大学 経済学部現代経済学科 教授)
日時  : 2024年4月10日(水) 18:30~
会場  : (一社)金融財政事情研究会 2F第1会議室
     東京都新宿区南元町19
     JR「信濃町」徒歩5分、東京メトロ「青山一丁目」徒歩10分
     
概要  :
Modigliani and Miller (1958)以来、最適資本構成の問題はコーポレート・ファイナンスにおいて最も重要な研究課題の1つとされてきた。最適資本構成の決定要因の特定に明らかな進展が見られたものの、現実に観察される資本構成のダイナミクスを説明できる理論については、未だにコンセンサスが得られていない。理論モデルの多くは、企業のバランスシートの右側にある負債と株式からなる資本構成に注目したいため、バランスシートの左側にある資産を外生的に与えられているとした。さらに、解析的な結果を得るために、企業はいつでもコスト無しに無制限に株式を発行して資金調達できると仮定していた。しかし現実では、企業は外部から資金調達する際、コストがかかることは言うまでもない。そのため、企業は不測な事態に備え、負債のみならず流動性も同時にマネジメントしなければならない。特に、2008年の金融危機や今般のコロナ危機において、多くの企業・金融機関の倒産の背後に、高い負債水準と不十分な流動性があるというコンセンサスから、負債と流動性マネジメントの融合がますます重要視されるようになった。本報告では、(1)資本構成 (2)投資と資本構成 (3)投資と流動性の順に、まず関連研究を整理していく。そして、実務から見た現実に戻り、資本構成そのものではなく、資金の流れこそが一番大事であると再認識した上で、資金の流れを中心とした企業の資本構成・投資・配当政策に関する包括的な枠組みを提案する。特に、負債と流動性の相互依存メカニズムを明らかにし、そのメカニズムが企業の諸意思決定にどのような影響を及ぼすのかを分析する。最後に、サスティナブルな企業価値創造を目指すCSRやESGなど、今後研究の進展が期待されるテーマについても展望する。

終了いたしました。

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